この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ファニーキンキー
第1章 それは発見
「邪魔」
教室の出入り口をふさぐようにおしゃべりをしていたあたし達3人を、長い前髪の隙間からちらりと冷やかな視線を向けて立ち退かせる同じクラスの男。
「ほーんと無愛想だよね」
無愛想男に聞こえないよう声をひそめたのは、恵衣子(えいこ)。
「イケメンだから許されるんだけどねぇ。ふふふ」
そして、口元に手を寄せ可愛いしぐさで笑っているのは、椎ちゃん(しいちゃん)。
「えー?イケメンかなぁ、前髪で目が隠れてるから雰囲気イケメンじゃない?」
「雰囲気イケメンもイケメンってことでしょ?ふふっ」
「ねぇねぇ、あいつ、絶対Sだよね?」
「ふふふっ。っぽいよね。でもあのクールさがモテてるんだよ」
「なに?椎ちゃん、ひょっとして…S男子が好きなの?」
「やめてよぉ、あたしは優しい彼氏一筋だもん!ふふっ」
不愛想男に興味がなくて話題に加わらず、ぼーっと二人の会話を眺めているのがあたし、寧奈(ねいな)。