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ファニーキンキー
第3章 それは悪戯
一瞬垣間見えた、首に筋を立てながら顔を横に背ける翔太郎の喉仏が男らしくて色っぽくて、ドキッとさせられた。
あたしは考えていた。感じないことを言うべきかどうか…
…ううん、欲情すれば感じることはできる、“醜態”を見せてくれさえすれば。それを言うきっかけが掴めない。
ちょっと行き詰ったかも……
翔太郎の膝の上にまたがり、胸に頬を埋めた。
「どした?」
ぼさぼさになったあたしの髪を手櫛で梳かしながら、優しい言葉と甘い声色で気にかけてくれる。
「ううん」
首を横に振る。
「ごめん……もう、バイトに行かないと」
「うん」
体を離して解放する。
「また、明日な」
ズボンを整え終え、キスをしようとした翔太郎をかわして、ぎゅっと抱きつく。
「うん」
翔太郎が出て行ったドアが閉まった瞬間、口の中の生温い欲を飲み込んだ。
あたしはこのまま処理係で終わっちゃうのかな……