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ファニーキンキー
第5章 それは結局
「バイトって土曜日が休みなの?」
「決まってないよ、シフトによってまちまち。今月、CDショップの内装工事が入るから今日から一週間休みなんだ」
校門を過ぎると翔太郎は自然に車道側を歩き、自然に手を繋いできた。
あたしは外でベタベタするのは好きじゃない。なるべく自然に手を解いた。
「そなんだ。あっ、リニューアルオープンしたらCD買いに行こっと」
「どんなの聴くんだ?」
「バンド系だよ。J-POPロックばっかり」
「ああ、俺もその辺、よく聴く」
「たまーにライブにも行ったりするよ」
「じゃあ、今度フェスにでも行くか?」
なんて普通の会話をしながら、お気に入りの曲を頭の中でリピートさせ、気を紛らしながら翔太郎の家までの道のりを歩いた。
おっと、大事なものを忘れるところだった。途中、買い物をするためにスーパーへ寄ってもらう。
「翔太郎、飲み物何にする?他に要る物ある?」
「一緒に行くぞ?」
「や、ダッシュで買ってくるから、ここで待ってて!」
「なんでだよ?」
「いーから。いーから」
不思議そうな表情をする翔太郎を無理やり入り口で待たせ、店内に入る。