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ファニーキンキー
第7章 それは純白
「クラスの子たちが平手打ち食らってるとこ見て修羅場だって騒いでたよ」
「……ハハ」
「どーでもいいけどさ、あの先輩もすごいよね。1日に2人も殴るなんて…クスっ」
「え?」
傾げたままあたしを見た翔太郎の流れた前髪の間には、目尻の上がった驚いた表情の目があった。
「…あたしもとばっちりを食ったから」
「殴られたのか?……痛かった?」
翔太郎の手が頬に触れる。
か、勝手に触るなっ!誰かに見られたら誤解されるだろっ。
その手を払い、昨日打ちつけた肘をさすりながら、一気にぶちまけた。
「痛かったよ。殴られて、突き飛ばされて、顔ぶつけて…足に力が入らなくなって、倒れて肘も打って…」
「!…もしかして6時限目?寧奈居なかっただろ」
「ん…」
「俺のせいだな…ごめん…」
再び、大きな手でそっと頬をさする。叩かれたのは反対側なんだけどね…
「別にいーよ。先輩も謝ってくれたし」
「ほんと…ごめんな…」
翔太郎はうつむいて小さくなっていく。