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ファニーキンキー
第7章 それは純白
イラつきながら靴を履き替えていると、
「寧奈、遅いよ」
突然、背後から翔太郎の声がした。
「どわっ!!」
すでに帰ったと思い込んでいたあたしは変な叫び声をあげて飛びあがった。
「うわ…びっくりした」
違う意味でドキドキしちゃったあたしは、ぼそりとつぶやく。
「行くぞ」
手を取られる。なぜ、手を握る?
「は、話なら中庭……」
まてっ!中庭にふたりでいると、また噂の的になる…仕方がない、歩きながらでいっか。
さりげなく振りほどいた手にカバンを持ち替えて歩きだす。
「昨日、伊井がさー、部活サボってカラオケに行ったらしくて、それが先輩に見つかって……──」
翔太郎は、他愛のない話をし始める。
なんなんだ?!話をしたいって、こんな話じゃないだろっ?
もうさ、さっさと済まそうよ?いくらヘンタイのあたしだって心臓は鋼鉄で出来ちゃいませんよ。
イライラが募っていたあたしは、
「話って何?」
「あー、うん」
「先輩のことでしょ?」
見えないドミノ倒しの最初の牌を倒し、別れ話をスタートさせた。