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ファニーキンキー
第8章 それは赤面


朝、教室に入ると自分の席よりも先に、椎ちゃんの席に向かった。

「椎ちゃん、おはよ」

「おはよ、寧奈。ふふ」

昨日あたしのことで悔しさを共有してくれ、泣いてくれた椎ちゃん。
いつもと違う、慈しむような優しげな笑顔。

「昨日は心配させてごめんね。ちゃんと翔太郎と話をしてきました」

「そっかそっか」

「で、フラれてなかったようで…仲直りできた」

「うっ…ほんとぉ?!」

「うん」

潤んだ瞳をくりっとさせた椎ちゃんは、軽く握った手を口元に寄せていつもの笑顔に戻る。

「よかったぁ。うふふ」

やっぱり椎ちゃんにはこっちの笑顔でいて欲しい。
席を立ち上がった椎ちゃんがあたしの頭をぽんぽんぽんぽんしてくれて何度も“よかったね”とうなずく。

「ありがと、椎ちゃん…あたし、椎ちゃんと友達で本当に良かった」

「うん。あたしもだよぉ、寧奈が幸せでありますようにってお祈りしてるから、ふふっ」

椎ちゃんが修道服を着たシスターに見えてきたよ。
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