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ファニーキンキー
第9章 それは翔太郎


バイトの連休も最終日──…

今日のアイテム“ストッキング”を買うために、ふたりでスーパーに寄り道してから、翔太郎の部屋にお邪魔した。

「ジュースもらっていいか?」

ガサガサとスーパーのレジ袋を漁る翔太郎。
ジュースと一緒にストッキングも見えたはずなのに、何のコメントもなく無関心。

あたしが穿くために買ったと思ってるんだろうなぁ…それが今日のアイテムなのに…

仕方がないから自分で取り出して、胡坐をかいた翔太郎の膝元へ、ツツツっとフローリングの上を滑らせた。

「今日はこちらになっております」

「ん、なんだ?」

あごを上げペットボトルのジュースを飲みながら視線を落とす。

「ぐっ、ほ!まじかよっ。ブリーフの次はパンティーストッキングかよっ…まじかぁぁ……」

ブリーフに苦悩した時のように頭を抱え込んじゃってるけど顔がっ…もうにやけちゃってるじゃんっ。

本当はノリノリなんじゃないの?

しかも正式名称で呼んじゃう?パンティーって翔太郎の口から聞くなんて、ちょっとキモイ。

「女装っぽくするの?俺、あれ嫌いなんだよな、すね毛が渦巻いてる足。やっぱ剃らないとダメだよなぁ、一瞬だからこのまんまでいいか?」

脛をさすりながら、ひとりでブツブツと構想を練っているみたいだけど、間違ってますよ?

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