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ファニーキンキー
第9章 それは翔太郎
「女装はまた今度ね。けど翔太郎、結構似合いそうだから、笑えないかもよ?」
「えっ?穿かなくていいのか?」
「うんっ」
嬉しそうに笑顔を溢すあたしを見た瞬間、いや~な予感がしたんだろうね、悪寒が走ったのかな?
ふいっと顔を逸らして、テレビのリモコンの電源ボタンを押した。
ハハっ…上手くいかないね。
ヤダヤダ!って騒がれるほど加虐心が沸き上がってくるけど、何事も無かったかのようにスルーされちゃったら、あたしだって無理強いは出来ない。
傷つけるためにやってるんじゃないもん。
そこに愛が無ければ意味がない。
“醜態プラン、いつ思いつく?”ってあんなにしつこく聞いてきたのに……
そんなに焦らなくてもいっか。
テレビを見ている翔太郎の腕に背中を預けるように寄りかかった。
「違うプラン考えてくるね」
翔太郎はするりと抜いた腕をあたしの肩へとまわして、手を重ねてきた。さり気なく触れてくるところが、こなれてる。
慰めてくれてるんだ…?
別に大丈夫だよ、こんなの慣れてるし。
あたしの方こそ、なんか…ごめん。