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私と貴方の甘い蜜
第10章 初めてのケンカ
「超おいしそうー。ねぇ、一口ずつシェアしようよー」
「いいねー!てか、写真撮ろう!インスタ映えー」

「……すっごいうざいんだけど。なんなのそのキャラ?」

お店について料理が運ばれてくると田代さんと山下さんが、女子のようにはしゃぎだしたので、長谷川さんがうんざりした顔をした。

「いや、お邪魔した罪悪感もあるからさ?せめて女子感を出そうとさ?」
「三咲ちゃん、ごめんね?俺ら調子に乗って来ちゃって」

急にしょんぼりした二人に、なんだか申し訳ない気持ちになる。

「全然!私こんな風に男女でごはん食べることってあんまりなかったので楽しいですよ?」
実際にそうだったので、なるべく気持ちが伝わるように言うと、二人が途端に嬉しそうな顔をした。

「三咲ちゃん、最近変わったよなー。前から優しいけど前はちょっと話しかけないでオーラあったからさー
。男子苦手オーラ!みたいなさー」
「うんうん。でも最近は仕事以外の話も出来るから楽しーよ。やっぱり、今の彼氏のおかげかな?どう思う、長谷川」

田代さんに問われた長谷川さんが、パスタを食べる手を止めてぽつりと言った。

「……三咲ちゃんがお弁当を作らない日は前の日カレシの家に泊まっている」
「……っ!長谷川さん!……なんで分かったんですか?」
「女のカン」

図星を突かれてあわあわしている私を横目に、長谷川さんがまた優雅にパスタを食べ始めた。

「三咲ちゃん、ドンマイ」
「長谷川は美人だけど半分おっさんだから。デリカシーがないんだ」
「ちょっと。なんであんたらにフォローされないといけないの?つーか、いつもなら「まじでー!」とか言ってニヤニヤしながら乗っかってくるでしょ?」
「俺らのものまねひどくない?」
「一応、俺らも恋してるんですー。片想いだけど」

3人がわいわいと言い合い出したので、恥ずかしさがうすれてきた。
確かにお泊まりの朝はいそがしくて、朝ごはんと総一郎さんのお昼しか準備出来てなかった。……次からはがんばって自分の分も用意しよう。

「あれ?あの人、三咲ちゃんのカレシじゃない?」
「えっ!?」
ひそかに決意していると、長谷川さんがそう言って指を指した。
確かに総一郎さんだ。

「……ちょっと行って来ていいですか?」

「もちろん」
「10分くらいなら大丈夫だよー」

3人に快く見送られたので急いでお店を飛び出した。

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