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空、夕暮れ
第1章 声

出会いの季節が来た。

私は高校を卒業し、地元を離れ二つ隣の県の専門学生となった。朝から夕方までは学校に通い、夜は喫茶店でのアルバイト生活。友人関係も程々に上手くいき、アルバイト先では歳下の彼氏も出来た。

「 ユイー。あの子もしかして同じ学校? 」

アルバイト先での先輩、12歳歳上の佳奈さんに声を掛けられた。佳奈さんの視線の先には見慣れた顔の男性が一人テーブル席に座っている。常連でもあり、見慣れた顔のその男性はコーヒーを飲みながらチラリと大きな瞳でこちらを見た。

「 あー。そうですよ、名前は...何だったかな... 学科は違うんですけど結構美形で目に付いちゃいますよね。」

「 そうなの。こないだ唯ちゃんの学校の前通ったら見かけてさー。常連さんでこんなに可愛らしい顔の男の子いたらすぐ反応するよぉ。」

笑いながらそう言うと、佳奈さんは再び自分の仕事を始める。

確かに彼は美形だ。
大きな二重の目で、脚も細く長い。
身長は175ぐらいだろうか。
黒のスキニーパンツにリュック姿でいるその容姿は、まるでストリート系ファッション誌から飛び出してきた様だ。

ストリートといえば唯の好きなジャンルでもあったので、目にはついていた。常連でなくとも、学科は違えど、目立つ彼の姿は充分と言える程に目に焼き付いていた。

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