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第10章 暗闇の底に
『そんな!あんまりじゃないですか…!』

病室前の廊下で壁を叩くオレを
ソウタさんが制する

『落ち着けリョウキ!!
一番辛いのはアイルだ…堪えてくれ』


ソウタさんだって怒りや悔しさは同じだ

オレはこういう時ソウタさんの姿をみると
自分が本当に幼く、ちっぽけに感じる


『~~っ!わかってます…だからって…』


ひどい…ひどすぎる話だ
手当てもされず
痛ましいまま
傷だらけの身体で目を覚まし
聞かれたくない事を聞かれるだなんて

せめて…せめて身体を拭いてあげたり
傷の手当てくらい…してやりたい

泣きたくなるのを堪えて
ソウタさんに連れられ
ようやくアイルの元へ…病室へと入る


傷だらけのアイル

まだ目を覚まさず眠っているアイル

早く…目を覚まして欲しい
だけど…目を開けた後に
彼女を待つ辛い現実を思うと…このまま…
まだ眠らせておいてあげたいとさえ思った


『アイル…ごめんな』


守ってやれなかった




『痛かったよなぁ…っ。アイル…ごめんな』


アイルに近づき手を握る
オレの後ろでソウタさんが目を覆っていた


程なくしてドアがノックされ
一人の女性が入って来た

いかにも仕事の出来そうなスーツを着た女性は
オレとソウタさんに警察手帳を見せて一礼する

刑事だった

今後の事をオレたちに説明しているのを
オレはアイルからはなれずに聞いていた

その時




『ぅ…ぅぅん…』

アイルがわずかに動いて目をあけた


まだ…起きるな!
目を開けるなアイル…!



そう思う反面
少し安心する気持ちは確かだ

アイルにすかさず声をかけた


『アイル…?アイル、わかるか?』

『……』

ぼんやりと…あまり視点の定まらない目で
ぐるりと、辺りを見渡してるようだ

そして…オレに握られている手に気づく

『っっ!ひっ…やっ…やだぁぁっ!
いやっ…やだ!やめてぇぇっ!』

アイルはオレの手を振りほどこうと後退して
ベッドから落ちそうに暴れた

『アイル!?オレだよ!!アイルっ!!』

女性刑事が直ぐ様オレに割って入り
アイルを抱きしめて大きな声で言う

「ここは病院よ!大丈夫!
あなたを傷付ける人はいないから!
もう大丈夫!!」

『~~っ…~…~~』

刑事の腕の中で暫くして
アイルはようやく落ち着いた

刑事がアイルをベッドに寝かす
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