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第10章 暗闇の底に
アイルに寄って
再び彼女の手をとる



『アイル・・・』



その時


ザァ~~っと
川の流れが強くなり


足を取られて
よろけたアイルが一瞬で水に沈んだ







ドボンっ…





『~!!!』



『っアイル・・・!!!』





こんな暗がりで、水に流されれば…



姿を見失えば


今度こそ終わりだ!!






水の勢いでズルッと離れた手を…

アイルを必死に探して

無我夢中で掴まえる




絶望に…離さない


アイル…!




ザバっと…

アイルの顔をなんとか水から上げた




『アイル!』

『……』



…応えない



急げ・・・急いで…岸に






アイルの顎を上げて
必死に水をかき、川岸まで上がる





早く・・・






アイルを砂利の上に寝かせて胸を押す



アイル・・・目をあけて





胸を押し続け
アイルに口づけて空気をおくる





『ゴホッ・・・ゴホゴホっ…』



少し水を吐いて

アイルが目をあけた






『アイル…』

『…~~ぅっ…』





オレに見つめられたアイルが
憑き物がおちたかのように
再びわんわんと泣き出す




オレは黙ってアイルを抱きしめて
ぽんぽんと背中や頭をなでた







声を抑えることなく
小さな子どものように泣き続けるアイルを
大切に腕に抱えて







『アイル?・・・・・帰ろうな』






そう



アイルを二度と…



真っ暗闇の


どん底に



戻しはしない








アイルが生きるのは

暗闇の底じゃない




アイルが生きるべき場所



アイルらしく輝いている場所へ帰るんだ





オレはポケットに手をのばしスマホを探す


水没だよな……と





いや…まだ生きてる

ラッキーだ

ソウタさんに電話した



『アイル…見つかりました。すぐ戻ります』

『え…おい…リョウっ』




ブツっ…


場所も告げずに

一方的に電話を切った


本当は救急車を呼ぶべきだろう


だけど…

ようやく泣き止みそうな赤ちゃんみたいな
アイルを…救急車にのせるのは
どうしてもしのびなかった


アイルを抱き上げて
堤防を歩き病院へと戻った




アイルが…オレの腕の中でウトウトする
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