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第15章 託された思い
何もするなよ?オレ…


オレ…何もしないぞっ!!!
…理性だ…理性




『おいで…』



ソファに座ったアイルを胸に抱き寄せて
髪の毛を束ねてるクリップを外す



『?』


〃何?〃と見上げるアイルにかまわず
髪をほどいてナデナデする


シャンプーの匂いか?


おろした髪の毛から
ほのかにシトラスみたいな香りがする…


ネコの毛みたいなやわらかい髪を撫でる







『りょうき…?どうしたの…?』



『ん、どうもしないよ』







『…はずかしいって』



『ここでもかよ…クス』



『~~…』





あ……。とか思うが…オレは

…何もしないぞっ(笑)





『あの…リョウキ…私、今日帰るね?』


『……』






















……シテおけばよかったーーーーー(笑)










…などと・・・言うまい








少し咳払いをする

後ろから

頭をぶん殴られたようなキモチは隠して




『コホン…そうか…。わかった。けど…
明日じゃだめなのか?…帰んの』



『~明日…行きたいトコあるんだ』






『どこ?』



『地元の方…。久々に…会いたい人がいて…』




会いたい人…?って…


てか地元って…


ダレだ?どこだ?


少し焦ってしまった




『…ご両親か?』



『まさか(笑)…うんと…おじいちゃん

あ・・・って言っても

お墓参りになっちゃうけど』



『おじいちゃん…亡くなってるのか』



『うん。父方の…おじいちゃんなんだけど
あたしにとっては…唯一の家族だった…
のかな、なんて』




『唯一の…?』



『生みの親より育ての親
なんてよく言うでしょ?
あたし…おじいちゃんっ子だったの』



アイルが少し遠くを見るように話し始める


オレは…アイルのこういう目を一度だけ見た



こういう時のアイルは…よく話す
まれに…
本当にまれにだけどアイルはたまによく話す


オレにはなんとなくわかってた


こういう時のアイルの話すことは
滅多に…或いは
誰にも話さないような事を話している、と


だからなオレは…自然と…ごく自然と
黙って聞き入ってしまうんだ


子どもみたいな表情(カオ)になって
一生懸命話すアイルの話に
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