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第23章 やさしさで溢れるように
どれくらい時間が経っただろうか



オレは
ようやく泣き止んだアイルを裸にした。





アイルを裸にして
オレも裸になる。




アイルは泣きはらした目で…

でも・・・

やさしい目をしてオレを見ている




はずかしがることなく

黙ってオレに身を任せていた。




恋しくてたまらなかった

そのぬくもりに…

ようやく触れることができた





肌と肌を

ぴったりとくっつけて抱き合う。






まるで夢のような心地になる…





変わらないアイルの肌の匂い



オレの体を抱きしめる

アイルのやわらかな小さい手





大切なその人を…

愛しくて愛しくてたまらないその人を

こわさないように…そっと…ゆっくりと

大切に抱いた。








ひとつになって伝わるぬくもり

伝わる気持ち…




身体で…心で

確かめ合うように愛し合う。




深く・・・つよく

身体の奥・・・・・心の奥まで。






求め合うままに

ずっと愛し合い続けた。





時間も…何もかもを忘れたかのように


目の前の…お互いだけを感じていた。







幸せで…たまらなかった

時が・・・止まればいい…。









『…アイル・・・つらくないのか?』




もうとっくに

〃限界〃なんじゃないか?

と思って声をかける





『…うん。平気…。

あのね…〃幸せ〃・・・すごく』






アイルの言葉が
オレをまた幸せにする




目を少し細めるアイル







『…眠くないの?…アイル』



『ん…。ねむく・・・ない…』







めちゃめちゃ眠そうだけどな…。






『アイル・・・』





『眠っちゃったら・・・

もったいない・・・・・もん・・・』






『ふふっ・・・そうか』


『それに・・・ちょっと…こわい・・・の』







『コワイ…?』




『このまま…眠っちゃって…

もしも・・・夢だったら…って

・・・・・・・コワイ』







オレはアイルの手をぎゅっと握った。
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