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第25章 焦燥と迷走
でも・・・あんな

冷たい言い方をしなくても…





・・・なんて顔をしてるオレに
ソウタさんが言う




『~…あの子は
あそこがまだまだなんだよ・・・』


『え・・・?』





『こういう仕事だからなァ
生と死は常に隣り合わせ…

慣れろ…ってのも酷な言い方だが…
避けて通れない

〃よくあること〃…だから

時には非常になったり…割りきることを
まず第一に覚えなければならないんだ…』



『初めて…?・・・ですか』



『ふっ・・・まさか。
幼い時からあの子も経験しているし
仕事にしてからだって何度もあるさ…

趣味なら良いが、アイルにとっては仕事だ
泣いてるわけにはいかないんだよ…

アイルは医者じゃない
あの子の、毎日大切に育ててる動物たちは
時に〃商品〃であり〃物〃なんだ…

それをちゃんとわかって…
向き合わせないといけないんだがな…』





『そう・・・ですか』



初めて聞く…アイルの仕事の厳しい現実

暗い影の部分



楽しい事ばかりの仕事なんてないけど

オレはいつも動物たちに囲まれて

ニコニコしてるアイルしか知らないから…






『~人情的で優しいのが
あの子のイイトコだけどなぁ…

それが仕事としては時にジャマになる…
まぁ矛盾した話ってワケだ

アイルは本当に優秀だ
でもそこだけがネックでな…

今回の子も…どうしようもなかったんだ…』





『病気ですか?』




『~いや…。小さな動物は特にな
生まれつき弱い子っているからな…

アイルのミスでもなんでもない
仕方なかった

けどアイツは…やっぱ、あぁだろ?…』




ソウタさんがくしゃりと微笑みながら
少し切なそうにする





『…悔やむことを…したくないんですね』




アイルらしい・・・そう思うけど…。





『~だからナァ…時に怒ってでも
止めねーとなんなくてナァ…やれやれ』



『ふふ…ソウタさんも
気苦労絶えないですね』




『だろお!?リョウキ!
わかるだろ?!…俺のよぉ~!?』



『ハハハ…』








ガチャ・・・




ソウタさんと話してるとドアが開いて
アイルが入ってきた


ウサギみたいな・・・真っ赤な目をして
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