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第25章 焦燥と迷走
『おぅ…お疲れさん。よく頑張ったな』



先ほどとはうって変わって
アイルに優しく声をかけるソウタさん




『すみませんでした…ずっと』



『~謝ることじゃぁない
それよりもお前~…』



ソウタさんがオレの方を見てアイルに諭す





『ぁ・・・リョウキ…』


『~わりぃな・・・仕事中に』







『アイル~?プライベートも
疎かにするんじゃないぞ~?
今になァ・・・オマエ~』




『いや・・・だから;
それは違いますってソータさん!』




『~ハハっ…。ホラ…アイル
早く支度してリョウキと帰りなさい…』




『ぅ・・・は・・・はい・・・っ』




アイルが少し慌てたように
支度をしに行った





『~ハァ~…ま、アレだリョウキ…

アレで仕事に〃プライド〃も持ってるから

大目にみてやってくれ?…な?』





『だから…オレは何も・・・』





『知らんフリしてやってくれ?』




ソウタさんが自分の目元に指をあてて
泣くふりをしてオレに言う



なるほど・・・そゆことね




『クス・・・はい。もちろんです』



アイルは必死に涙を止めてから
オレ達の前に出て来たのだから






オレの…くだらない

ワタル曰くの〃嫉妬〃話なんて

どこ吹く風だった





アイルが直面していた事を知れば余計に

オレは自分が情けなく

罪悪感でいっぱいだった






アイルと並んで歩く



ゆっくり…アイルの歩幅で
いつものように




『リョウキ?…ごめんね…』

『うん?…』




『ずっと…連絡もしないで…お休みの日も』


『~なんで謝る?…
仕事だったんだ、仕方ないだろ
…悪かったな…今日』




『ううん?…チョット驚いたけど。どしたの?』



『…顔みたかったから』





『ぇっ?…』



『~。なんでもない・・・

~…猫・・・残念だったな…』




『ん…。わかってたんだけど
諦めたくなくて…』



『ちゃんと…やりきれた?』


『ん…。やれるだけのことは全部…
ソウタさんもやってくれたし
お別れもちゃんと出来た。忘れないよ…って』


『そっか。…後悔ない?』


『ん・・・』


『それなら良かった
その子も…アイルにきっと感謝してるよ
よく・・・頑張ったな』
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