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第27章 嫉妬
『…アイルそれ何?』


このところアイルが
小さなノートを手にしているのをよく見る。

資格の勉強・・・ではなさそうだ。



『…英語?』


『うん。
カイトって英語ペラペラでしょ?
習っておこうかなって』



『ははっ、たしかに
それほどイイ講師はいないかもな!』



最近のアイルの話には

必ず〃カイト〃の名前が

出てくる。





アイルがノートを
ペラペラとめくりながら微笑む。


『ふふ…好きなことから覚えるの

~昔からクセなんだけどね…難しいこととか…
好きなことに変換して覚えると楽しいし
忘れないんだ

英語もね…すきなものから訳して覚えて…』



こういう所も…アイルの頭の良さだな


なんて…感心する。





『ふ~ん、…なんかすごいな?
見せてよソレ…?』



『えっ…ダ…ダメっ。…なんかハズカシイ』


アイルが少し赤面してノートを閉じた。





『クス…イミわかんねぇし(笑)』



『も…も少し、色々覚えたら…。
~~でも…留学とか
ちょっと…憧れちゃうかも』



『ふふっ…これはまた。
けど、海外みてくるのって良いと思うぜ?
言葉もだけど…他にも色んな~…』



『えっ…リョウキもしかして
留学したことあるの!?…』



『ん…。・・・まぁ』



『えー!…すごい!!
どこに!?いつ?…なんで!?』



アイルが
これまた珍しく興奮気味に聞いてくる


目をクリクリさせて夢中だ。



『…1個ずつ聞けよ(笑)
…?…鳴ってるよ?ケータイ』



『え?……あ、メールだ』



アイルがメールを開いてじっとみて
オレの方を向いた。







『リョウキ…
お好み焼きは好きか?・・・だって』



『ん?…』




アイルが開いたメール画面を
オレに見せてきた


カイトからのメール。










『(笑)…兄ちゃんのお誘いは
断れないな?・・・~行くぞ』



『ふふっ…。ゴメン』





本音を言えば…オレは

アイルと二人でいたい。






…とは、もちろん言えず。




…そんなオレの気も知らないアイルは
常に嬉しそうで、楽しそうだった。
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