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第29章 星屑の幸せ
一人…部屋に残るアイルが
キッチンを片付けていた



『・・・~♪』


〃…リョウキってば・・・
あんなに心配して…オーバーだなぁ。

けど…わるいことしちゃったな
せっかくの・・・お休みなのに…〃








ピンポーン・・・。






インターホンが鳴る




〃え?…リョウキ?・・・は

今行ったばかり・・・だよね〃





ピン・ポ~~ン・・・





〃ほんとに「すぐ戻った」の?

それとも・・・〃




『~ はい・・・』



アイルが受話器をとる







〃『オレ~・・・あけて~?』〃






『え?・・・う…うん』


〃リョウキ・・・〃




アイルがオートロックを開けた




〃鍵…忘れたのかな…?

すぐ戻るっていってたし

持っていかなかったのかな…〃







気にせずにいると





ピンポーン・・・




もう一度インターホンが鳴る



今度は・・・玄関。





〃『あ~けてっ・・・?』〃



『ぇ?・・・うん…待ってて、今行くね』




〃なんか・・・なんで?

って言うか…「動くなー」とか

散々言ってたくせに・・・〃




少しだけムッとして

アイルが渋々玄関に向かう




ガチャ…




『ホントに…早かったね?

…。…。…って・・・』



〃え?……〃





アイルがドアをあける…が






目の前には誰もいない



ヒヤっと・・・汗が伝う。




『え…?…』


〃いや…たしかに…ゼッタイ…〃




そぉ~~っとドアを閉めかけて
アイルは首をぶんぶんと振る

そして

カバッと…もう一度ドアを開けた





・・・やはり同じ




『ぇ…何・・・あたし…』



〃聞こえないモノを聞いちゃった?

…とか・・・なんてこと、あるワケ…〃




いよいよ怖くなったアイルは

一人ゾクゾクっとして

ドアに背を向けてドアを閉めようとする

















『・・・ふふっ』















〃え?〃




『?!…っっ…わっ…』








後ろから声…。









驚くアイルが
振り向く間もないうちに
両目が手で覆われた








〃えっ?何…何っ…?暗い…っ

っていうか・・・何?!〃
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