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第4章 告白
『そんな…何のために

何も言わないなんて…おかしいですよ』





『良希…。・・・アイルは女の子だ
ましてや、当時はわずか17歳の…

俺らになんてわかりっこない
傷を負ったはずだ…

誰かに~…誰にも
知られたくなんてないんじゃないのか…』





『……』

〃被害に遭ったことを…知られない為に…?〃





心がえぐられる音がした






アイルの受けた恐怖


痛み、悲しみ、絶望…





オレになんて、想像・理解もできなければ
きっと耐えることだってできないだろう。





『…言わなくたって…

警察にしたって
少し調べればわかることじゃ…

ソウタさんだって…』





苦し紛れのように
ソウタさんまでを責めながらも…
オレは薄々わかっていた




ソウタさんのことだ
きっと真実を明るみにするために
掛け合ったに決まってる




ソウタさん

この人こそ、今オレの感じている
どうにも出来ないような悔しさ

もどかしさや怒りを抱えて
生きて来たのだと思う。




『警察は…俺らのように〃アイルの人柄〃を
知った上でなんて動かない

固まった要素を…
証拠十分な上、自白まであるものを
わざわざひっくり返そうとなんて動かない

世の中の…闇の部分だな

俺だって…アイルに面会して
なんとか話を聞こうとしたさ

だけど、どうしたって
核心部分を突けなかった

…まして、まるで別人のように
笑いもしなくなったアイルには

…そういうことだ…結局』







『どーいうことっすか…~』





『…強姦は、親告罪だ』





うなだれ続けるオレに
ソウタさんが確定的な言葉を投げつけた




『有利だろうが不利だろうが

まずアイル自身が被害を訴えなければ
どうにもならない

アイルが明かさないと決めたことを…
周りが掘り返す事はできない』






『~~っ…っ…っ~』







『コレも…俺の記憶でしかないが…

その日、最後にオレが会った時
事件の前だ…

アイルが着ていたのがピンクの…
花柄のワンピースだ…』
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