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Best name
第32章 最高の名前
【フツーの母娘(オヤコ)】






『ぁ・・・ママ…』





母親の視線に益々、赤面したのか

アイルはまたうつむいてしまっていた。





『アイル・・・~アナタ
何歳(いくつ)になったと思ってるの?

もう〃ママ〃は、よしなさい
恥ずかしい子ね…もう』




『ご…ごめんなさい・・・。

お・・・おかあ…さん』





『ふふ・・・。

ホラ…下向いてばかりいないの

・・・~モジモジしない』





『う…うん・・・っ』






(笑)


微笑ましくなってしまった。



ホッとしたというのか…







〃なんだ・・・

フツーの母娘(オヤコ)じゃないか…〃





オレはそう思った。




母娘の再会…そして

対面が済んで一息つく頃

オレは一歩・・・前に出て




アイルのお母さんと目が合うと

深く・・・・・ゆっくり一礼した。






『あら…アイル、そちらが・・・?』


『う・・・うんっ』




アイルがお母さんにオレを紹介して

オレも挨拶する。





『はじめまして、滝川と申します。

本日は…ご多忙な中

お時間を下さり、ありがとうございます』






『藤沢です。アイルの・・・母でございます』








意外にも(?)控え目に…

品よく挨拶を返してきたアイルのお母さん。




ニコリと笑う顔


近くでみると益々似ている。




おおきい黒目

スッと・・・筋の通った鼻。





ひとまずの挨拶が済むと

ソウタさんが口をひらく。





・・・なんだか・・・既に汗だくで…。



ナゼ・・・?







緊張……それはそうなんだろうけど



なんか、緊張というかソウタさん・・・もう









しかしそれは…なんとなく



段々と


オレにもわかってくるのだけど……。

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