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Best name
第32章 最高の名前
『ぁ…た、立ち話は…そのへんにして

お母さんも~…お疲れでしょう…っ。

ささっ…どうぞおかけになって…』





『カツラギくん・・・。どうもありがとう…』






『ぁ…あやめさん・・・・・お荷物は…』





ソウタさんがアイルの母親から

大きなスーツケースを

受け取ろうとしている。






『ぁ・・・そこの

入り口のそばで良いわ。

ごめんなさいね』







緊張を…通り越して

なんかタジタジしてみえるソウタさん。






〃アヤメ〃さん・・・かぁ。





なんともしっくりくる名前の持ち主だ。







そして

それより…何より





ソウタさんを

〃カツラギくん〃呼ばわりできる

この人って・・・一体







いや……アイルの母親なんだけど…。


なんだろ・・・この感じ。







言い表せない・・・なにか…。











アイルが一人

お茶を用意しにキッチンに姿を消した。





お母さんとソウタさん…

そこにオレが向かい合う形で座る。





キレイに整えてる身なり…



は・・・もちろんなのだが

どことなく、漂わせる気品。




そして・・・・・。





フワ・・・






匂い…。


と言うか・・・香り。





アイルのお母さんからは

上品な香りが漂ってくる。





言うまでもないかもしれないが





アイルと…




同じ香り。






間違いない。

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