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第32章 最高の名前

『滝川 良希と申します。

本日は･･･ありがとうございます』




ソウタさんに立ち合ってもらって
アイルのお父さんと挨拶を交わす。




『片瀬です・・・。

こう･･･名乗って良いものか

アイルの・・・父です』








意外過ぎるくらい、低姿勢な人。





『これ･･･宜しければ』




お父さんが、オレとソウタさんに

土産品を手渡す。

こちらも…出張帰りか何かだろうか？






『ぁ・・・すみません…っ。わざわざ…』




『娘が････好きだった物でして、つい』





オレは、頬がゆるんだ


・・・ホッとする。





『それは…とても喜びますね…！

ありがとうございます･･･』




『…して・・・・・娘は…？』





くるりと･･･部屋を一周見渡して

姿のない娘をさがす。





なんと言うか

目線の・・・流し方




ちょっとした動きなんかが


どことなくアイルに似ていた。





よく・・・似ていた。







物静かそうな話し方も･････そっくりだ。





『あ･････ここに、来てはいるんですが…』



『よし……呼んで来るとしよう』





ソウタさんがアイルを呼びに行ってくれた。