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安田博の性犯罪録
第2章 女子大生・吉田さやか 2
「よし、まずはルールを決める。」

安田は言った。


「おれのことはご主人様と呼ぶこと。」


「おれのいうことには絶対に従うこと。」


「何をするにもおれの許可を得てからにすること。」


「ルールを破った場合は罰を受けること。」


「まずはこれくらいだな」


安田はとりあえず思いついたルールを挙げると、周りを見まわした。
そしてさやかの白いカバンを手に取ると、中から手帳を取り出した。
さやかが自分の予定を書き込むために使っている薄グレーの手帳だった。
安田はパラパラとその手帳をめくってみた。
授業やバイトなどの予定が書かれている。


「なんのバイトしてるんだ?」


安田は何の気なしに聞いた。


「はい…ケーキ屋さんです…近所の」


安田はそうか、と言って手帳をさやかによこした。


「よし、今言ったルールをこの手帳にかいておけ。」


ルール…実家でも色々あったな。さやかは思い出していた。

友達と遊びに行くときは行先と友達の本名を報告すること。
門限は6時。部活で遅くなる場合は必ず帰宅時間を報告すること。
小遣いの使用明細を必ずつけること。

両親の元にいたころのさやかにとっては、あって当たり前のルールであった。
しかし今、一人暮らしをしてみて初めて、そのルールの煩わしさをさやかは理解した。


せっかく自由になったのに、またこんな…


さやかはまた絶望的な気持ちになった。
しかし、従うことには慣れている。


「あの…もう一度ルール言ってください。」


「ああ?一回で覚えろよ。」


「ご、ごめんなさい」


一回で覚えろ、バイト先のケーキ屋で何度も言われたことを思い出して
さやかは条件反射のように謝った。








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