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囚われの天使たち
第2章 支配

男の残酷な問いかけに、奈津子はかろうじて聞き取れるほどの小さな声で答えた。

「言うことを……聞きます」

「よく言った。いい子だな」

男は奈津子の髪を優しくなでる。

「それじゃあ、お仕置きはやめてあげよう」

男はそう言うと、奈津子の両腕を固定していた鉄輪をはずした。奈津子は、自由が効かないという恐怖から開放されたおかげか、若干ながら安堵の表情を浮かべていた。

「お仕置きをやめたのだから、言うことを聞くね? 聞かないなら、今度は本当に煙草で焼くよ」

「言うことを、聞きます……」

しゃくりあげながら、奈津子は答えた。

「そうか。じゃあ、さっそく言うことを聞いてもらおうか。奈津子ちゃん」

「はい……」

「声が小さい!」

「はい! すみませんでした!」

奈津子は命令したわけでもないのに、軍隊のように姿勢よく直立している。

「さあ、今度こそ、服を脱ぎなさい」

「…………」

「返事は?」

「……はい!」

奈津子は、まず白い半袖を脱いだ。まだ起伏のない平坦な上半身が顕になった。次に奈津子は、青の短パンを脱いだ。いや、脱ごうとした。しかし、短パンに両手の指をかけたところで、その動きは止まってしまった。

「どうした。早く脱がないか」

恥ずかしがっているだろうことを承知で、男は命令を重ねた。それでも奈津子は動かない。

「仕方がない。お仕置きだな」

「い、嫌です。やめてください! ごめんなさい! 脱ぎます!」

「それなら、早く脱ぎなさい」

「……はい」

「声が小さい」

「はい!」

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