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第1章 序章

武藤未知子。

38歳。

できちゃった婚で高校を中退して18歳の時に長男を出産。続いて19歳の時に次男を出産。子育てに邁進した20歳代だった。夫は女子高生が大好きで援助交際ばかりしているダメ父で家にも近づかない有様だったが、息子たちはなんとか、大学進学をスポーツ推薦で決めてくれた。ついに夫と離婚した未知子も大検を受けて、大学に入学。そして卒業。

子育て中もパートの掛け持ちで稼いでた未知子。就職活動も順調にいくかと思われたが、38歳の新卒採用は困難を極めた。ピチピチのリクルーターに混じって、ムチムチのリクルーターがいるのだから、良くも悪くも目立つし、

「中途採用はしていないよ」

と言う声すらあるのはある意味、当然。周囲の女子大生も迷惑そう。

それでも、ハウスメーカーの○○ホームの面接では、面接官の女性が、

「わたしの展示場に是非、来てほしいわ」

と、プッシュしてくれたので、横にいた人事部長も、

「仙波くんが、そこまで言うなら、採用するから、君の展示場に配属するがいいかね？」

と、言ってくれて、仙波さんが受けてくださったので採用がかないました。

そのため、最初の勤務地は某県某市の○○ハウジングの仙波さんが展示場長をしている展示場でした。