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空蝉
第28章 真昼の月


あたしは、ひとり 月をみる

衣服を剥がれ 組み敷かれ 力に負けて 諦めて

揺れるからだに 湧き上がる 憎くて、辛い 悦びに

目を背けては 窓ごしに 真昼の月を ひとりみる


あたしは、ひとり 月に逢う

誰にも言えぬ 秘めごとの 不義の愉悦に 浸るとき

淫らに濡れる この腰の とろける肉の 悦びの

陰で、あの日の あの月が 変わり果てたと 嘲笑う


あたしは、ひとり 月をみる

ケモノに抱かれ 目をつぶり 猛りしものに 貫かれ

喜悦の波に たゆたえば からだは溶けて 悦楽の

空に、膨らむ 欲望で はちきれそうな 月をみる


あたしは、ひとり 月をみる

裏切ることの悦びを 真昼の月に 恥じながら

歓喜の波に せかされて 宙を見上げる ほかになく

「しかたないの」と 泣きながら 冷たい月を ひとりみる


あたしは、ひとり 月をみる

男の下で、果てながら 男の精に 穢されて

この身が堕ちて ゆくほどに 儚き愛を 嘲笑い

「この悦びは 確かよ」と

「生きているの」と 月をみる


あたしは、ひとり 月を待つ

肌を清めて 香を焚き 男を誘う 紅花の

ように、淫らな 口紅で 胸に 「抱いて」と 書きなぐり

夜は昇らぬ その月を いまも、ひとりで 待ちわびる




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