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僕のマミちゃん
第1章 count 7


「きゃははっ、きりのっち似合う~」

「もうちょっと髪の毛をふんわりさせたら、いーんじゃない?」

夏休みのお土産だといって誰かから貰った猫耳のカチューシャを頭に付けられて、オレンジが強めのブラウンの髪を女の子に囲まれ、こねくり回されているのは、
霧野悟(きりのさとる)くん。

人懐っこくてポジティブに明るい彼は、我が2-Bのアイドルというかマスコット的存在。いつもニコニコとした笑顔で男女問わずに絡んでいく。

「にゃ~ん。にゃ」

女子の手によって頭部だけコスプレされた霧野くんは猫になりきって男子のところへ走り寄る。
当人も嫌がらずにノリノリで楽しんでるところが、皆から愛されるポイントなんだと思う。

「悟~、可愛いなー」

「ゴロゴロ…」

本物の猫さながらに喉の下を撫でられて目を細めている。こんな可愛い猫がペットだったら癒されるんだろうな……

「お前、やばいよー。女だったら彼女にしてるとこだよ」

「俺はこんなでかい女やだよ。180近い男がなにやってんだよっ」

「にゃー、猫パーンチッ」

「きりのっちぃ~あたしと写真撮ろー」

霧野くんの人柄は人を寄せつけ、いつも彼のまわりは賑やかに華やぐ。そこだけが別の空間のように。

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