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僕のマミちゃん
第3章 count 5
霧野くん家での、あの衝撃的な出来事があって以来の当番の無い日がやってきた。
私たちは恋人同士だと言ってくれたけど、学校で会話もせず、挨拶すら交わさない。
霧野くんが声をかけてこないのだから、きっとこのままでいいんだろうと思ってる。クラスの中で冷やかされても私にはどう対応していいか分からないもの…
いままでと何も変わらず、クラスの一員という関係。霧野くんは男女のグループで輪を作って楽しそうにはしゃぎ、私は本を読みながら時々空を見上げる。
あっ…変わったことといえば、橋尾さんと本の貸し借りを通じて、おしゃべりをする機会が増えたことかしら。気さくな性格でとってもいい人。
放課後、全ての授業を終えひとり教室を後にすると校門を出たところで話し込む3人の男子の姿が目に入る。その中に居る憧れの人の姿はすぐに分かった。心が騒ぎだす…
ドキドキしながらその横を俯いて通り過ぎようとした時、
「マミちゃんっ」
霧野くんの声に一瞬、足を止めるも男子3人も揃っていると、恥ずかしくて対応できない。足早にその場を離れようと背中を丸めた。
「マーミちゃん。一緒に帰ろ?」
私の前に回り込んで、顔を覗き込む。
「僕たち先に帰るねー」
「おー、また明日な」
一緒に居た2人の男子に声をかけて、バイバイと大きく手を振りながら、私の横を歩き出す。