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遠い日の約束。
第5章 忘れていた過去
私と彩ちゃんは子供が大好きだ。
将来は保母さんになるってふたりで言っていたぐらいに。
でも、私たちは普通のOLの道を進んだ。


……彩ちゃんの夢を奪ったのは私…


高校生の時、生理不順で産婦人科に行き、その時に言われた。
妊娠しにくい身体なのだと。
妊娠する確率は10%もないのだと。
正直ショックだった。
愛する人と結婚して子供を産んで、彩ちゃんと一緒にベビーカーを押して公園デビューを夢見てたのにそれが一瞬に崩れた。
泣いている子供を見ているとかわいいと思っていたのに、かわいいと思えなくなり見てるのも辛くなった。
私には絶対手に入らない幸せなんだと。
子供が産めない私なんて誰も必要としてくれないんだと。
そして、その時に念のために彩ちゃんも検査して彩ちゃんは問題なかった。
今まで何でも同じだったのが初めて訪れた分かれ道だった。
彩ちゃんは一言「ごめん」って謝った。
何が「ごめん?」なんだろうって悔しくて、自分は産めるからいいじゃんって毒付いた。
分かってた。
彩ちゃんが悪いわけじゃないって。
本当だったら「よかったね」って言ってあげるべきだったんだって。
それから私と彩ちゃん…この家では子供の話はタブーになり私の為に彩ちゃんは保育士になる夢を諦めた。
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