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遠い日の約束。
第5章 忘れていた過去
「華ちゃん。子供ってひとりじゃできないのよ。華ちゃんは先に相手を探さないとね」

彩ちゃんが私に抱き付いてきた。

「わっ…わかってるもん」

そういいながら振りむいて気がついた。
彩ちゃんの瞳にも光る涙。
彩ちゃんに私の気持ち少しは伝わったんだと思った。
もう大丈夫だという気持ちが…

「さっさと準備してご飯にするわよ」

しんみりとした時間をお母さんが制して、急いで準備を終えた。
全ての料理が出来上がりテーブルに並んだのは、きっちりと7時だった。

「では、久しぶりの家族団らんに乾杯」

「「「乾杯」」」

お父さんの掛け声で乾杯をし3年ぶりの家族団の食事が始まった。
それは楽しい時間だった。
何気ない日常の何気ないひと時。
だけどそれは奇跡に近い人と人とのめぐり合い。
もし私がこの両親から生まれてこなかったら。
もし彩ちゃんが姉じゃなかったら。
もし彩ちゃんとお義兄さんが出会わなければ…
そう考えると全てが奇跡なんだと改めて感じた。
食事が進むにつれてお父さんとお義兄さんの飲むピッチは上がっていく。
2時間もたつと2人して床に転がり大いびきをかいて寝てしまった。
彩ちゃんは隣の部屋に裕ちゃんを寝かしに行ったのでお母さんと後片付けをして先にお風呂にはいり居間でくつろいでいた時スマホが鳴った。
画面を見てみると俊樹さんからだった。
急いで自分の部屋に駆け込み電話を取る。
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