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遠い日の約束。
第5章 忘れていた過去
「うん…知ってる…。彩ちゃんが悩んでるの分かってた。高校の時だって…本当は保育士になりたかったのに私の為に諦めて…それ知ってたけど何も言えなかった。まだ子供で自分のことばかりだった…今は後悔してる…これとそれとは別だから自分の好きな道を進んでって言えなかった事…後悔してる…」

彩ちゃんが私に抱き付いてギュッとする。

「華ちゃん…それは間違ってないの。あの時保育士の道に進まなくてよかったの…じゃないと孝弘さんと出会ってないの。出会ってなかったら裕介も生まれてない…だからあの時の選択は間違ってない」

「本当??…私の事恨んでない?」

彩ちゃんが私を離しデコピンする。

「馬鹿華!!華ちゃんの事恨んだことなんてない。私が思うのはただひとつ…華ちゃんの幸せのことだけだよ」

「私の…幸せ?」

「そうだよ。華ちゃん、いつも遠慮しちゃうでしょ?もうちょっと自分勝手になっていいんだよ。思った事言葉にしていいんだよ。」

やっぱり彩ちゃんだと思った。
私の事を一番に理解し分かってくれる。
そしていつも気にかけて見守ってくれてる。
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