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遠い日の約束。
第5章 忘れていた過去
「私…バイバイ言ってない…最後のお別れしてない?」
いつの間にかフェードアウトしているふたり。
考えてみると彩ちゃんと違って泣いた記憶がなかった。
「そうね。華は入院して高熱だしてたからお別れしてないわね」
「入院?」
お母さんは表情を暗いくして当時の事を話してくれた。
何が起こってどうなったのかを…
「最後にね。皆でキャンプに行きましょうってことになってね。冬の湖にキャンプに行ったのよ。その湖は冬になると氷が張って子供だったら乗れてあそべちゃうぐらいにね。一応、お父さんたちが確認して真ん中は氷が薄いから近づかないように言って、子供たちは端っこで遊び始めたの。私たちはテント張ったり火を起こしたりと子供たちから目を離してしまった。…準備をしてるとね、彩の叫び声が聞こえてきたの。振り返ると人影は3人しかなくて、すぐ2人になった。その訳を考えた瞬間背筋がぞっとした。今でもその恐怖に身が竦む…彩が慌てて私たちの所に来て言うの「華ちゃんが落ちちゃった。しゅん君が助けるために飛び込んじゃった」って嫌なことが現実になったと慌てて助けに行こうとしたらお父さんに止められたの。大人が4人も氷の上に乗ったらどうなるか分からないって…その時は、そんなことどうでもいい、冷静でいられるなんて薄情な人って叫んでた…けどね。後になってそれは正しい判断だって分かったの。あのままみんなで助けに行ってたら全員湖の中だった…」
お母さんの目に浮かぶ涙。
記憶になくてもその時のお母さんの恐怖は伝わってくる。
いつの間にかフェードアウトしているふたり。
考えてみると彩ちゃんと違って泣いた記憶がなかった。
「そうね。華は入院して高熱だしてたからお別れしてないわね」
「入院?」
お母さんは表情を暗いくして当時の事を話してくれた。
何が起こってどうなったのかを…
「最後にね。皆でキャンプに行きましょうってことになってね。冬の湖にキャンプに行ったのよ。その湖は冬になると氷が張って子供だったら乗れてあそべちゃうぐらいにね。一応、お父さんたちが確認して真ん中は氷が薄いから近づかないように言って、子供たちは端っこで遊び始めたの。私たちはテント張ったり火を起こしたりと子供たちから目を離してしまった。…準備をしてるとね、彩の叫び声が聞こえてきたの。振り返ると人影は3人しかなくて、すぐ2人になった。その訳を考えた瞬間背筋がぞっとした。今でもその恐怖に身が竦む…彩が慌てて私たちの所に来て言うの「華ちゃんが落ちちゃった。しゅん君が助けるために飛び込んじゃった」って嫌なことが現実になったと慌てて助けに行こうとしたらお父さんに止められたの。大人が4人も氷の上に乗ったらどうなるか分からないって…その時は、そんなことどうでもいい、冷静でいられるなんて薄情な人って叫んでた…けどね。後になってそれは正しい判断だって分かったの。あのままみんなで助けに行ってたら全員湖の中だった…」
お母さんの目に浮かぶ涙。
記憶になくてもその時のお母さんの恐怖は伝わってくる。