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遠い日の約束。
第5章 忘れていた過去
家から歩いて15分ぐらいの神社であるお祭り。
沿道からずらりと並ぶ出店。
昔からある懐かしい出店もある。
お化け屋敷に見世物小屋。
彩ちゃんはお義兄さんと俊樹さんに挟まれて楽しそう。
その後ろをトボトボひとりで歩く私は…消えてしまいたい…
いつも私の心を読み取ってくれるふたりは今日は私を見てくれない。
神社に到着して沿道を歩いて行く。
連休中のお祭りだけあって来場客でにぎわっていた。
このまま消えても…きっと三人は気がつかない…
りんご飴のお店の前で足を止めた。
買いたいわけではない。
ただ…懐かしさに足を止めた。
このお祭りに来たら必ず買って食べていたりんご飴。
幼い頃の味…
「お嬢ちゃん。好きなの取っていいよ」
お店の大将が声を掛けてくれた。
昔と違って色とりどりのりんご飴。
りんごだけじゃなくイチゴ飴まで売っていた。
「ごめんなさい…」
買う気もないから、謝ってそのお店の前から立ち去ろうとした。
「赤いりんご飴を貰うよ」
私の肩の上から手が伸びてきて吊るされている赤いりんご飴を外して私にくれた。
「毎度」
お金を大将に渡して俊樹さんは何も言わずに私の手を握って歩き始めた。
少し先では彩ちゃんとお義兄さんが待っていた。
「華ちゃん。買いたいものがあった時は声かけてよ。迷子になっちゃうよ」
「ごめん…」
小さく言うと、彩ちゃんはにっこり笑って、お義兄さんと歩いて先に進み始めた。
沿道からずらりと並ぶ出店。
昔からある懐かしい出店もある。
お化け屋敷に見世物小屋。
彩ちゃんはお義兄さんと俊樹さんに挟まれて楽しそう。
その後ろをトボトボひとりで歩く私は…消えてしまいたい…
いつも私の心を読み取ってくれるふたりは今日は私を見てくれない。
神社に到着して沿道を歩いて行く。
連休中のお祭りだけあって来場客でにぎわっていた。
このまま消えても…きっと三人は気がつかない…
りんご飴のお店の前で足を止めた。
買いたいわけではない。
ただ…懐かしさに足を止めた。
このお祭りに来たら必ず買って食べていたりんご飴。
幼い頃の味…
「お嬢ちゃん。好きなの取っていいよ」
お店の大将が声を掛けてくれた。
昔と違って色とりどりのりんご飴。
りんごだけじゃなくイチゴ飴まで売っていた。
「ごめんなさい…」
買う気もないから、謝ってそのお店の前から立ち去ろうとした。
「赤いりんご飴を貰うよ」
私の肩の上から手が伸びてきて吊るされている赤いりんご飴を外して私にくれた。
「毎度」
お金を大将に渡して俊樹さんは何も言わずに私の手を握って歩き始めた。
少し先では彩ちゃんとお義兄さんが待っていた。
「華ちゃん。買いたいものがあった時は声かけてよ。迷子になっちゃうよ」
「ごめん…」
小さく言うと、彩ちゃんはにっこり笑って、お義兄さんと歩いて先に進み始めた。