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遠い日の約束。
第5章 忘れていた過去
俊樹さんに支えられながら家の中に入っていく。
背中に突き刺さるお母さんの視線。
そしていつの間にか解かれてしまった手…
このまま離れていってしまうのかと思うとまたしても悲しみが込み上げてくる。

「本当に疲れちゃったから…少し部屋で横になるね」

靴を脱いで自分の部屋に行こうと声をかけた。
心配そうな瞳が私を見つめる。

「大丈夫…少し横になるだけだから」

「部屋までついていくよ」

一緒に階段を上がりながら、私の身体を気遣う。
部屋に入りベッドに腰を下ろした。
俊樹さんは床に両膝を落とし、私を見上げ手が私の頬に触れた。

「明日…待ってる……」

念を押す様に明日の約束を口にする。
その瞳は真剣で、それでいて不安気で弱々しかった。

「うん…私…俊樹さんに伝えたいことあるから…必ず行きます…その時は聞いてくれますか?」

俊樹さんの瞳が揺らいだ。
今の私の言葉をどう受け止めたのか分からない。
だけど、言ってしまったからには逃げられない。
逃げる道を自分で消した。

「分かった…どんな話でも聞くよ…今日はゆっくり休んで?」

私の身体に手を添えてベッドに横たわらせてくれる。
そして額にチュッと唇が触れた。
本当はもっと欲しいとねだりたいけどそれを言うのは辛すぎる。
俊樹さんはそのまま下に降りていった。
遠のく足音に寂しさだけが増していく。
俊樹さんと一緒にいるようになって自分が弱くなった気がする。
些細なことで不安になり心が悲鳴をあげる。
それは…俊樹さんが私の傍からいなくなることを恐れている。
それ程までに、俊樹さんは私の中に入り込んでしまっている。
色々と考えていると睡魔が襲ってくる。
その睡魔に身を任せ、考えることを全てを放棄した。
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