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遠い日の約束。
第5章 忘れていた過去
─…
──…
───…
「……ちゃん………華ちゃん……」
気だるい感じを残しながら目を覚ました。
照明の灯りがまぶしく、片手で遮る。
「大丈夫?お母さんが起こしておいでって言ったけど…まだ横になってる?」
ベッドに座っている彩ちゃんの手が私の髪の毛を撫で心配そうに聞く。
顔の上にあげている手をずらして時計をみると19時を過ぎていた。
約2時間ねむっていたらしい。
「大丈夫…寝たら楽になった…ごめんね。お祭り…」
先に帰ってきたことを謝ると大丈夫だよと首を横に振る。
彩ちゃんの手を借りながら身体を起こして小さな溜息。
「しゅう君も心配してた…。無理しないでって言って帰ったよ」
「えっ?」
彩ちゃんの言葉に驚いて聞き返してしまう。
「お父さんが駅まで送ってたの。泊まって行きなさいってお母さんが言ってもね。遠慮したみたいで…また来ますって言って帰ってったよ」
「そう…なんだ…。あっ…電話かけたてからご飯に降りるってお母さんに言っておいて」
とりあえず、笑顔を作って彩ちゃんを下に降ろした。