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遠い日の約束。
第6章 伝えたい想い
「これを着て待っていて」

ゆかたを手渡して部屋の中に入って行った。
置き去りにされ私の心は虚無感でいっぱいになる。
拒まれただけでなく見捨てられた…
そう思うと自然と涙が零れはじめ嗚咽をもらしながらただ泣いた。
誰も来ることのない寂しい空間でただ一人泣いた…

「華…?」

後ろから俊樹さんの戸惑う声が聞こえた。
ただ泣いているばかりで返事ができないでいると、私の横に座って私を抱きよせて抱きしめた。

「ひとりにさせて、ごめん」

頭の上から聞こえてくる俊樹さんの声。
私はまだ…見捨てられて…ない?

「俊樹…さん…」

「んっ?」

「…」

何をどう話して良いのか分からず、名前を呼んだのはいいけど何も言えなかった。
肝心なところで躊躇する。
聞きたいことたくさんあるのに…何も言えなくなった。

「とりあえず、これ飲んで」

手に持っているペットボトルの水を渡された。
冷蔵庫から取り出してきたのかひんやりと冷たかった。
俊樹さんの腕の中から顔を上げて見上げると、優しい瞳が私を見守っていた。
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