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遠い日の約束。
第6章 伝えたい想い
「直ぐ戻るから待ってて」

触れるだけのキスをしてベッドルームから消えた。
だけど心が満たされている今は寂しくない。
被せられたゆかたを握りしめて、俊樹さんが戻るのを待った。
数分たてばゆかたを羽織り何かを手に戻ってくる。
それはコンドームだった。
それを枕元に置くとベッドに座り私の髪の毛を触りながら愛おしそうに見つめられた。
私の心はキュンとする。
私の手を取り、手の甲にチュッとキスをする。
それだけで、とても大切にされているのが伝わる。
横たわっている身体を起こして肌と肌で俊樹さんを感じたくてゆかたの中に腕を回して抱き付いた。
俊樹さんの温もりがダイレクトに伝わってきた。
その温もりが私を安心させる。
不思議な出会いをして不思議な同棲生活が始まって次第に私の心は俊樹さんに向いた。
辛い時、怯えている時、いつも傍にいて目に見えない物から守ってくれた。

「好きっ…」

俊樹さんに身体を預けて、そっと囁けばギュッと抱きしめられる。

「ずっと…俊樹さんに抱いてほしかった…受け入れてほしかった…」

「華…それは反則…可愛すぎる…」

背けた顔が赤く染まってるのが分かった。
始めて見る恥ずかしがっている俊樹さんをかわいいと初めて思った。

「今の俊樹さんの方が…可愛い」

素直に口に出すと渋い顔に変わる。
やっぱり女性から可愛いと言われるのは嫌なのだろうか…
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