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遠い日の約束。
第9章 幸せな日々の中で

残された絹子さんは照れながら、それでいて幸せそうだった。
「素敵な旦那様ですね」
正直な思いを口にすると絹子さんは嬉しそうに笑った。
しかし、その笑顔は直ぐに曇ってしまった。
「私にはもったいないぐらいですよ…私なんかがこの場所にいていいのか…」
儚く笑う笑顔が何だか心に突き刺さる。
「色々ね…ここまでくるのに色々あったのよ……辛い思いや悲しい思い…死んでしまいたいと思うことも…だけど生きていていよかったと思うの。あの人に支えられて、母親になる喜びを知れて…って、でもね、幸せが大きい程、怖くなるの」
無理やりに笑う絹子さんの過去がどんなものなのか想像もつかない。
いつも幸せに満ちている笑顔を見せてくれる絹子さんの心の中を見た気がした。
誰しも何か闇を抱えている。
私だって…闇はある。
最近、見るようになった不思議な夢。
ただの夢かもしれない。
だけどそれが夢だけで終わらない予感もしていた。
俊樹にだって闇はある。
直接口で聞いたわけでもないけど、どこかで感じる。
それは私と関りがあるような、私の夢と関りがあるような気がしていた。
「素敵な旦那様ですね」
正直な思いを口にすると絹子さんは嬉しそうに笑った。
しかし、その笑顔は直ぐに曇ってしまった。
「私にはもったいないぐらいですよ…私なんかがこの場所にいていいのか…」
儚く笑う笑顔が何だか心に突き刺さる。
「色々ね…ここまでくるのに色々あったのよ……辛い思いや悲しい思い…死んでしまいたいと思うことも…だけど生きていていよかったと思うの。あの人に支えられて、母親になる喜びを知れて…って、でもね、幸せが大きい程、怖くなるの」
無理やりに笑う絹子さんの過去がどんなものなのか想像もつかない。
いつも幸せに満ちている笑顔を見せてくれる絹子さんの心の中を見た気がした。
誰しも何か闇を抱えている。
私だって…闇はある。
最近、見るようになった不思議な夢。
ただの夢かもしれない。
だけどそれが夢だけで終わらない予感もしていた。
俊樹にだって闇はある。
直接口で聞いたわけでもないけど、どこかで感じる。
それは私と関りがあるような、私の夢と関りがあるような気がしていた。

