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遠い日の約束。
第9章 幸せな日々の中で

「ごめんなさいね。昔の話よ?今は幸せなの。過去は消せないけど、その過去のお陰で今があると思うと、嫌な過去でもありがたいって思うのよ。」
異様な雰囲気を払拭するかのように明るい声で話す絹子さんは、いつもより儚く美しく見える。
「そうですね…過去がなければ、今の未来に続くことができなかったかもしれない…過去をなかったことにするのか、今の幸せな未来を取るか…難しい処ですね。」
俊樹が絹子さん思いを理解した言い方をする。
「あらっ…俊樹さんもそんな経験がおあり?」
「長く生きていると多少なりとも同じような経験はあるかと…」
私の知らない何かを共有しているかのようだった。
そんなふたりを見ていると、心内がザワザワとする。
絹子さんと余り話してほしくなくて、俊樹のシャツをギュッと掴んだ。
それに気がついて「んっ?」って顔を私に向けた。
だけど何も言えなくて、黙ってワインクーラーを口にする。
これはただの嫉妬。
私以外の人と意気投合する姿を見たくはなかった。
相手は旦那様を愛している絹子さんなのに、それでも嫉妬する。
「どうした?」
「う~ん…私が変なことを話したせいかも…」
異様な雰囲気を払拭するかのように明るい声で話す絹子さんは、いつもより儚く美しく見える。
「そうですね…過去がなければ、今の未来に続くことができなかったかもしれない…過去をなかったことにするのか、今の幸せな未来を取るか…難しい処ですね。」
俊樹が絹子さん思いを理解した言い方をする。
「あらっ…俊樹さんもそんな経験がおあり?」
「長く生きていると多少なりとも同じような経験はあるかと…」
私の知らない何かを共有しているかのようだった。
そんなふたりを見ていると、心内がザワザワとする。
絹子さんと余り話してほしくなくて、俊樹のシャツをギュッと掴んだ。
それに気がついて「んっ?」って顔を私に向けた。
だけど何も言えなくて、黙ってワインクーラーを口にする。
これはただの嫉妬。
私以外の人と意気投合する姿を見たくはなかった。
相手は旦那様を愛している絹子さんなのに、それでも嫉妬する。
「どうした?」
「う~ん…私が変なことを話したせいかも…」

