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遠い日の約束。
第9章 幸せな日々の中で

暗くなった雰囲気を察して様子を見に来た翔さんに絹子さんが困ったように告げた。
一瞬、この場の空気が悪くなる。
誰も悪くないのに、私の嫉妬心がこの場を悪くした。
「過去の話をね…私は翔に救われたって話…。ごっ…ごめんなさい…」
いきなりボロボロと涙を流し始めた絹子さんに驚いた。
止まることのない涙がは頬をつたい床に落ちていく。
翔さんは慌てることなく、声を殺して泣きじゃくる絹子さんを抱きしめる。
「座ろうか…」
近くの椅子を引き寄せて、抱きしめたまま椅子に座った。
「…泣けばいいよ…ずっと傍にいるから…」
決して大丈夫とは告げずに、ただ泣き止むまで抱き続けていた。
しばらくすると涙はとまり、だけど明るい笑顔を見ることはできなかった。
何かに怯えるように、ただ翔さんにしがみついていた。
いったい何が起こったのか分からない私は、その光景をみつめていることしかできなかった。
「すいません…過去の話をすると急に…フラッシュバック?そんな感じになるんですよ」
翔さんが私たちに説明する間も、腕の中の絹子さんは震えていた。
それ程までに辛い過去が何なのか想像もつかない。
「絹子さん…大丈夫ですよ。私たちは辛い過去より、幸せな未来を選んだんですから。きっと幸せになれますよ。私はそう信じています」
「俊樹…さん?」
カウンターの上に肘をついて指を組み、その上に顎を置いてゆっくりと話した。
一瞬、この場の空気が悪くなる。
誰も悪くないのに、私の嫉妬心がこの場を悪くした。
「過去の話をね…私は翔に救われたって話…。ごっ…ごめんなさい…」
いきなりボロボロと涙を流し始めた絹子さんに驚いた。
止まることのない涙がは頬をつたい床に落ちていく。
翔さんは慌てることなく、声を殺して泣きじゃくる絹子さんを抱きしめる。
「座ろうか…」
近くの椅子を引き寄せて、抱きしめたまま椅子に座った。
「…泣けばいいよ…ずっと傍にいるから…」
決して大丈夫とは告げずに、ただ泣き止むまで抱き続けていた。
しばらくすると涙はとまり、だけど明るい笑顔を見ることはできなかった。
何かに怯えるように、ただ翔さんにしがみついていた。
いったい何が起こったのか分からない私は、その光景をみつめていることしかできなかった。
「すいません…過去の話をすると急に…フラッシュバック?そんな感じになるんですよ」
翔さんが私たちに説明する間も、腕の中の絹子さんは震えていた。
それ程までに辛い過去が何なのか想像もつかない。
「絹子さん…大丈夫ですよ。私たちは辛い過去より、幸せな未来を選んだんですから。きっと幸せになれますよ。私はそう信じています」
「俊樹…さん?」
カウンターの上に肘をついて指を組み、その上に顎を置いてゆっくりと話した。

