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遠い日の約束。
第9章 幸せな日々の中で
私たちがいなくなったほうがいいと思い、会計をしてバーを後にした。
私たちがバーを出るまで、絹子さんは翔さんの腕の中だった。
外に出てタクシーを拾い家についたのは2時を回っていた。
簡単にシャワーを浴びて、ベッドの潜りこむ。
俊樹に腕枕をしてもらい、抱き付くと俊樹もギュッと抱きしめてくれた。

「俊樹は…まだ過去を引きずってるの?」

先ほど、絹子さんたちに言った言葉を思い出す。
今を幸せに生きることは、過去の自分に報いること。
それは過去を忘れていないと言うこと。
私を助けられなかった事を悔いているのなら、とても苦しい。

「いや…華が許してくれたから…引きずってはいないよ…。ただ…」

「ただ?」

言葉をいったん止めて何かを考えているようだった。
その言葉の先に、私の知らない俊樹の闇があるような気がした。

「昔の自分を見ているようで…どうにかしてあげたいと思っただけだよ…それより、華の方こそ元気なくなったけどどうして?」

その一言で絹子さんに嫉妬いたことを思い出した。
だけど言えない。
ただ話していただけなのに嫉妬したなんて言えなかった。

「お酒に酔っただけだよ…でも部長にはびっくりしたね…まさか抱きしめられるとは思わなかった…それに…言っている意味が少し分からなかったし」
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