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遠い日の約束。
第9章 幸せな日々の中で
「うん…熱がちょっと高くてね…ただの風邪だと思うけど…」

「新しい環境と仕事のストレスなのかもな…」

俊樹が日本に来て約10ヶ月。
日本の四季の移り変わりや、営業スタイルの違いに身体や心が追いついていなかったのは確かにあると思う。
そして私のミス。
一緒にいて調子が悪いと分かっていても、何もしてあげられなかった。
これで一緒に住んでいる意味はあるのだろうか?
私は俊樹の恋人で一番の理解者のはずが…何もしてあげられなかったのが悔やまれる。

「華が気にすることないさっ!男はそんなもんだ。惚れた女に心配かけさせたくないもんさ」

コンビニのおにぎりを頬張りながら私の気持ちを察する。
相変わらず目ざといなと思いながらお弁当を口に運ぶ。
つきあっていた頃は、こんな風に並んでお昼を食べる事なんてなかった。
別れてから出来る事が増えていく。
今度、俊樹をランチに誘ってみても不思議に思われないだろうと最近思うようになっていた。

「そういえば…パパになった感想は?」

一か月前に春馬はパパになった。
一緒に住んでいない春馬は、子供が生まれたと聞いた次の日に数日間の有給を使って奥さんの元に戻った。
その時に、かわいらしい女の子の写真が送られてきた。
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