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遠い日の約束。
第9章 幸せな日々の中で

部長は本当に何でもお見通しで、言わなくても分かってくれる。
「男ってそんなもんさ。惚れた女には尚更な。そこは草野が気に病むことじゃない。それより、美味しい物食べさせて休養させてやれ。明日明後日休みだしな」
部長の手が私の髪の毛をワシャワシャと触って元気づけてくれた。
その手がやっぱり懐かしいような気がする。
父親のような、それ以上に優しい手だった。
だから自然と本音がでてしまう。
「実は…今日の夜は高校の時の友達と飲みに行く約束してたんです。心配だから早く帰るって言ったんですけど…楽しんでおいでって…送り出してくれて…」
「うん…」
口を挟まず、相槌を打ちながら黙って私の話を聞いてくれた。
「友達に会うのは楽しみなんです。…けど、俊樹…立花さんの事が気になって楽しめないと思うんですよね…と言って、友達をキャンセルして帰ると彼の事だから責任みたいなのを感じちゃうと思うんです。」
話ながら私が何に悩んでいるのか少しずつ見えてくる。
「男ってそんなもんさ。惚れた女には尚更な。そこは草野が気に病むことじゃない。それより、美味しい物食べさせて休養させてやれ。明日明後日休みだしな」
部長の手が私の髪の毛をワシャワシャと触って元気づけてくれた。
その手がやっぱり懐かしいような気がする。
父親のような、それ以上に優しい手だった。
だから自然と本音がでてしまう。
「実は…今日の夜は高校の時の友達と飲みに行く約束してたんです。心配だから早く帰るって言ったんですけど…楽しんでおいでって…送り出してくれて…」
「うん…」
口を挟まず、相槌を打ちながら黙って私の話を聞いてくれた。
「友達に会うのは楽しみなんです。…けど、俊樹…立花さんの事が気になって楽しめないと思うんですよね…と言って、友達をキャンセルして帰ると彼の事だから責任みたいなのを感じちゃうと思うんです。」
話ながら私が何に悩んでいるのか少しずつ見えてくる。

