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遠い日の約束。
第9章 幸せな日々の中で
私は、友達より俊樹が大事で、少しでも俊樹の傍にいたかった。
だけど、それをすると彼が責任を感じてまた悩んでしまうからそれが言えない。

「もう少し…楽に考えたらどうだ?」

「楽に?」

部長の言葉をただ、おうむ返しに返した。

「好きだから傍にいたいんだろう?好きだから弱っている立花をほっとけないんだろう?立花もお前が好きだから自分のために楽しい時間を奪いたくないと思ってる。違うか?」

私は黙って首を横に振った。
俊樹の気持ちは痛い程伝わるから…だから自分の思いを言い切れない。

「お互いがお互いの事を考えすぎてがんじがらめになって馬鹿らしいと思わないか?それが続くと疲れるぞ?疲れたら距離が出来て修復不可能になる…その前に言いたいことは言う。引きたくない場所は引かない。」

膝の上に置いている握りしめている手に部長の手が重なった。
そしてその手をポンポンと叩かれて力が抜ける感じがした。

「なぁ、草野。もう少しわがままになっていいんじゃないか?何か言われたら今の気持ちそのまま話てやればいいんだよ。それで分からないなら…俺が説教してやるよ」

「はい…その時は説教してやってください」

「やっと笑ったな…草野はそのほうが良い…いつでも笑ってろ。」

満足気に笑った部長は、湯飲みを持って次は春馬の方に歩いて行った。
春馬の横の席に座って何やら真剣な表情で話し始めた。
きっと移動のことだろうと思いながら、今日の夜に会う友達にLINEを送った。
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