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遠い日の約束。
第9章 幸せな日々の中で
規則正しい寝息が私をほっとし、頬に触れてみると熱を感じなかった。
朝から何も食べていない俊樹に何かを食べさせてあげたくて起こすことにした。

「俊樹……俊樹…」

軽く身体を揺さぶると、閉じていた瞼がゆっくりと上がり、その瞳に私が映る。
俊樹に手を引かれてベッドの上に座ると、腰に腕を巻き付けて甘えてくる。

「もう…帰ってきたの?」

かすれた声が色気を誘う。

「…今…何時?」

遮光カーテンで外の様子は分からない。

「6時だよ…お昼も何も食べてないでしょう?おじや作ったけど食べれる?」

俊樹の髪を撫でて告げると、俊樹が顔を上げて私を見つめた。

「…い…かなかった…の…?」

すごく悲しそうな瞳をする。
自分のせいで早く帰って来させてしまったと後悔している瞳。
だけど、今日は『そんな顔されるなら行けばよかった』なんて思わない。
これは私が望んでしていることだから。
そだよね。部長。
そこにはいない部長に心で話しかけた。

「行かなかったよ。俊樹の事が心配だもん。」

「ごめん…」

私の腰から腕を解いて起き上がった。
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