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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶

ダンッと両手で壁に手を当てて、私を囲う。
「…馬鹿だなぁ…逃げられるチャンスだったのに」
直ぐ後ろでクスッと笑って、ドアノブを握る私の手に自分の手を添え、誘導されながら鍵をカチャリと開けた。
「あっ…」
その行動に唖然とする。
ただ鍵がかかっていただけだった。
「これを回せば逃げ出せたのにね…残念」
これを回すだけで逃げられたことを、私は出来ずに囚われた。
もう逃げ出すこともできない。
俊樹が帰ってくるまで私は…高宮くんに抱かれ続ける…
「もう逃げ出せないよ…だって、今日から華は俺のもの…逃げ出したくても逃げ出せないように囲ってあげるよ」
そう言いながら、私の手にカチャリと手錠をはめ、手にずっしりと冷たいものがのしかかる。
言葉どおり私は逃げ出せない。
この手錠がある限り、私は自ら逃げ出すことは叶わなくなった。
そう自覚すると身体の全てから力が抜けて床に崩れ落ちた。
とっさに高宮くんの腕が私を包み、一緒に座り込み優しく抱きしめられた。
優しくても、私が欲しい腕ではない。
私が欲しいのは…
「と…しき…」
小さい…小さな声で俊樹の名前を呼んだ。
届くはずはないと分かっていても愛する人の名前を呼ばずにはいられなかった。
それが高宮くんの逆鱗に触れようと今の私には関係ない。
「…馬鹿だなぁ…逃げられるチャンスだったのに」
直ぐ後ろでクスッと笑って、ドアノブを握る私の手に自分の手を添え、誘導されながら鍵をカチャリと開けた。
「あっ…」
その行動に唖然とする。
ただ鍵がかかっていただけだった。
「これを回せば逃げ出せたのにね…残念」
これを回すだけで逃げられたことを、私は出来ずに囚われた。
もう逃げ出すこともできない。
俊樹が帰ってくるまで私は…高宮くんに抱かれ続ける…
「もう逃げ出せないよ…だって、今日から華は俺のもの…逃げ出したくても逃げ出せないように囲ってあげるよ」
そう言いながら、私の手にカチャリと手錠をはめ、手にずっしりと冷たいものがのしかかる。
言葉どおり私は逃げ出せない。
この手錠がある限り、私は自ら逃げ出すことは叶わなくなった。
そう自覚すると身体の全てから力が抜けて床に崩れ落ちた。
とっさに高宮くんの腕が私を包み、一緒に座り込み優しく抱きしめられた。
優しくても、私が欲しい腕ではない。
私が欲しいのは…
「と…しき…」
小さい…小さな声で俊樹の名前を呼んだ。
届くはずはないと分かっていても愛する人の名前を呼ばずにはいられなかった。
それが高宮くんの逆鱗に触れようと今の私には関係ない。

