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遠い日の約束。
第2章 動き出し運命
クッションが用意されていて足の負担はかからない。
ブワッといきなり髪に風が当たり髪の毛を乾かし始めた。
クシャクシャと髪の毛を触りながら起用に乾かして行く。
少し長めの髪は立花さんの手によってきれいにブローされた。
美容室にいるようなそんなひと時だった。

「シャワー浴びてくるから…。ここでテレビ見ていてもいいし、後ろの部屋がベッドルームだからそっちにいてもいいし…くつろいでて」

さらっと言ってバスルームに消えていったが、その言葉にどきりとする。
ベッドルームでくつろぐ…
くつろげるはずがない。
これから起こることを考えたらくつろげるはずがなかった。
本来ならば入りたくもない場所。
だから私は、この場所でテレビを見ることを選んだ。
テレビの中からは、あまり知らない芸人のコントが流れていたけど頭に入ってこず、笑うこともできなかった。
見ているようで頭に入ってこないテレビはただのBGMにしかならない。
そんなことを考えていると、バスルームの扉が開く音がして身軽な格好の立花さんが戻ってきた。
落ちついていた心臓が徐々に早くなり逃げ出したい衝動に駆られる。
好きでもない人とSEXなんて…私には…
テレビ画面が消え、部屋の電気が消された。

「そろそろ寝ようか」

寝室のドアを開けて私が中に入るのをただ黙って待っているようだった。
寝室に行くことも、帰りますと言うことも出来ずにいると小さな溜息が聞こえた。
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