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遠い日の約束。
第2章 動き出し運命
何かを口にしたら、すがりつきそうで何も言えなかった。
遠ざかる背中をただ見続けることしかできない自分の立場が悲しくて虚しくて涙がとめどなく流れていく。
春馬がどんな顔をしているのか、何を思っているの分からないまま玄関の扉が閉まる。
その瞬間、追いかけるように足が動き春馬の後を追った。
行かないでと叫びそうになるのを抑えながら足は玄関に向かっていた。
そして、ドアノブを握った瞬間に思い留まる。
このドアを開けて春馬の胸に飛び込みたい。
だけど、それをするわけにはいかない。
私の中で葛藤が生まれ、答えが出ない私はその場に崩れ落ちて泣いた。
きっと、外にいる春馬の耳にも届いていると分かっていても、この感情を殺してしまうことなどできなかった。
カツカツカツと遠ざかる足音が耳に入ってくる。
本当に終わったのだと思うと、また涙が溢れ頬をつたって床に落ちていく。

「春馬…春馬…」

受け止めてくれる人はもういないのに、私は春馬の名前を呼び続けた
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