この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
遠い日の約束。
第2章 動き出し運命

─…

──…

───…

───…ピンポーン

インターホンの音が部屋に鳴り響いていた。
明るかった部屋が、いつの間にか真っ暗になっていたのに気がつかない。
出る気力も体力もなく、呆然と玄関先に座り込み訪問客が帰るのをただ待つことにした。
ドアの向こうの気配は中々帰ろうとしない。
といって、もう一度、インターホンを鳴らす事もなかった。
私は、壁に頭をつけて目を瞑って悲しみに耐えていた。

カチャッとドアノブが回る音がした。
そして、鍵がかかっていないドアは簡単に開き、廊下の明かりが部屋の中に入り逆光でまぶしかった。
そのドアを開けたのが誰なのか…声を聞くまで分からなかった。

「華?」

玄関先で崩れ落ちている私を見て驚いたのか、慌てているのが声でも分かる。
そして自分が着ていたコートを私に掛けてくれた。

「何があった?…華?」

手が私の頬に触れ、そっと涙を拭いた。
その瞬間におさまっていた涙がまた流れ出し、抑えられない嗚咽が部屋中に響き渡った。
いきなり泣き出した私を彼は…立花さんは何も言わず抱きしめてくれた。
彼に包まれて、安心したのか誰かに縋りたいだけだったのか、抱きしめられた瞬間に子供のように声を出して泣いた。
何も言わずに抱きしめて背中を擦ってくれる彼に救われた。
時間が立てば、大泣きしていた私も少し落ち着き始める。

「中に入ってもいいかな?華も寒いでしょ?」

エアコンがついていても玄関先は寒かった。
/723ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ