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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第8章 真夜中のお茶をご一緒に
翌朝、眼を覚ました司は、傍らの椅子に座りうたた寝をしている泉を見つけ、思わず眼を見張った。
「…泉…?」
気配で眼を覚ました泉と視線が合う。
そして微かな照れ笑いをしながら、椅子から立ち上がった。
「すみません。ついうたた寝をしてしまいました」
「…もしかして…夜通し付いていてくれたのか?」
司の額にひんやりとした大きな手が触れる。
「…ああ、下がりましたね。良かった…」
熱がほぼ平熱に下がっていることを確認し、泉の貌が安堵した。

そして、熱い温度を感じさせる口調で答えた。
「…貴方のご様子が心配で、ついおそばを離れられませんでした…」
「…泉…君…」
ひんやりとした手が司の頬の線をなぞり、そのまま唇へと指を伸ばす。
…泉の凛々しく端正な貌が近づき、司の心臓はどきどきと音を立てる。
…緊張する司の貌を優しく見つめ…ふっと表情を和らげ、まるで幼子にするように頭に手を置き、そっと撫でた。
「…明けましておめでとうございます」
そうして、司の顔を引き寄せると、その額に慈愛の篭ったキスをそっと贈ったのだった。
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